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空は細雨を振っているが、相変わらず美しい日月 

201352日、台北はまるで真夏のように、蒸し暑くてたまらない。曇っている空は、時に細雨が続き、決して旅行に相応しい天気ではない。しかしながら、私が接しているある乗客たちの出来事で、この日に起こったすべてのことを一生忘れられないだろうと思う。

 

 数週間前、会社が「台北市行無碍資源推広協会」からの御紹介で引き受けた一つの案件が有り、誰が担当してくれるかと皆に聞いていた。これは私が多扶に入社して2年程以来、期間として一番長い障害者旅行で、それに多扶にとっても初めて引き受けた一週間越えのチャーターツアーだった。その中身は八泊九日のツアーで、スタッフは暫くの間自宅に戻れずに、台北から台湾中部に向い、そして中部横貫公路を通過して花蓮で滞在し、その後蘇花公路に沿って台北に戻るという。何より壁を感じているのは、今回の対象はオランダーからのフォスターファミリーなので、中国語をしゃべれる人は一人もいなかったし、始終英語で遣り取りをしなければいけない。自分は卒業して以来、英語をしゃべる機会がめったにないどころか、全部英語でのコミュニケーションを取るのを余計に想像できない。しかし、引き続き自分への挑戦したいという思いで、この案件を自主的に引き受けた。そして幸運に恵まれプロジェクトを作れる機会も手に入れた。今回の挑戦に向かって私は興奮と期待の気持ちを飛び交いながら、緊張感がなおさら増している。何かの言葉や文化違いで生じた誤解が相手の機嫌を悪くしたらどうするかと心配していた。このようなことをないように、私はできるだけ資料を集めて、英会話を鍛え続けて、お客さん達が今回の旅を楽しんで頂くことだけ専念していた。そして、私のサービスと紹介で台湾の美しさを知ってもらい、この土地を愛して頂きたいと思っている。

 

 52日の早朝、時間通りお客様たちが泊っているホテルに到着。お客様たちに会う直前に、内心の緊張感がすでに満タンになり、ドキドキした気持ちと恐怖を抑えるため、私は「大丈夫!お前ならできる」と自分に語り続けていた。こんな複雑な気持ちを抱えながら私はベンさん一家をお会いできた。視線に合った途端、ベンさんの御家族は非常に明るい笑顔で接してくれて、その瞬間あらゆる緊張感も急にどこかへ飛んでしまった。ベンさんご夫婦の外人顔と異なり、三人の子供たちは皆黄色い肌に黒髪で、そして中に二人が台湾人であった。幼い頃から引き取られてオランダーで育っていたので、中国語はまったくだが、見た目は台湾人と変わらないことだから案外親近感を感じていた。また、一夜漬け勉強していた英語も少し役に立てるようで、手元にある旅行情報とスマホーでの機能を併せて何とか困らないほどコミュニケーションを取れた。それで私もまるで鎮痛剤を打たれたように、今回の旅に対し自信が溢れている。家族全員を多扶の専用車に搭乗して頂いたら、最高の気分を味わいながら九日間の旅も幕を上げた。

 

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伊達邵
桟橋にある多目的トイレ

 旅の初日から3日目まで、私達は日月と周辺の観光スポットの遊覧とした。日月潭観光と言ったら、ロープウェイと遊行船を搭乗して景色を楽しむことが欠けられないことだ。風景を眺める以外に、子供3人とも新しいことを挑戦することが好きなので、ロープウェイを搭乗して九族文化村へ向かうことにした。

 

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乗客たちは電動車椅子に乗り換え、九族文化村に向かおうとする。 

九族文化村に行く当日、天気が曇りで時々雨だった。雨に濡れる心配なく思い存分に遊んでもらえるように、私は予めビニールカッパを用意していた。また、当日にあるエピソードが起こった:出発する前に私はロープウェイの管理センターに電話を入れて、車椅子の搭乗可能かどうかと問合せた。電動車椅子が駄目だけど、手動車椅子なら可能だという返事に対し、ベンさん家族の中に一人が電動車椅子で行動しているのだ。九日間の旅なので、多扶の送迎車内にもう荷物に詰められ、とても手動車椅子を置く場所がなかったから、これでロープウェイの搭乗がやむ得なく断念することになるかもしれない。しかし、お客様みんな隠せないがっかりした表情を見てたら、せっかく遠くからの台湾旅行なので、どうしても旅の一秒でも楽しんでもらわなくちゃ!きっとなんとか乗り越えられると思い、インターネットで色々情報を探ってみた。幸い、ロープウェイの駅では手動車椅子のレンタルサービスがあると分かった。至急この貴重な情報をベンさん家族に伝え、電動車椅子を使っているお客様に一旦手動車椅子に乗り換えて頂き、家族全員揃って無事ロープウェイで九族文化村に行けた。私のほうは車で電動車椅子を持って目的地でみなさんと合流することにし、その場でお客様に手動車椅子に換えて頂いた。実は多扶の送迎車でも九族文化村に行けなくはないが、それにもかかわらず、お客様に上空から南投の自然そのものの美景を味わってもらうことで、たとえちょっと面倒でもそれなりの甲斐があると思った。さらにお客様がロープウェイを降りた後、その抑えられない嬉しかった表情を見たら、達成感も心底から生み出してきた。

 

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 南投での観光が終わった後、私はお客様を連れて中部横貫公路に沿って清境農場を見ながら太魯閣(タロコ)へ向かっていた。幸い、向かっている途中良い天気が続き、その風景がまるで絵のように美しく、ベンさん一家は清境農場の景色に強い印象を残った。太魯閣に着いた後、さらにあそこ自然と生成した片麻岩のV字型峡谷の壮大感に驚かせ、絶賛が絶えなかった。ちなみに、私たちが無事に花蓮市内に到着したその夜、台湾の東部は大雨を降り始め、今朝走っていた中部横貫公路も大雨あまりの勢いで通行できなくったという。ベンさんはその知らせを聞いたら非常に驚いたようで、なんと幸運だなと連呼していた。

 

 

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お客様皆は太魯閣景色の壮大さに驚嘆した。

 

今回の旅は、台湾の美しい景色を楽しんでもらう他に、何より重要なのは子供たちに台湾での家族と再会してもらうこと。元々はもしかして「ミッションインパッシブル」のように苦労しながら一つずつ手掛りを見つけ続けてやっと家族に会える感じだろうと自分勝手で想像してみたのだが、実際ベンさんは台湾に来る前にすでにすぺての手配をして、子供たちも念願通りで元家族の人たちとお会いできた。肉親ようやくの再会で、家族揃い抱きしめあったシーンを見て、私も思わず感動され、こんな良い話ができたことに嬉しく思った。台湾東部から旅立ち、台北に戻ろうとした時、何気なくバックミラーからお客様が間もなく元家族と離れ離れになるので車内で涙が流れている模様を見たら、私もその雰囲気を深く感じていた。なぜなら、オランダーと台湾は何万キロも離れており、次に何時会えるかなんともいえないからだ。悲しくなった私は、精一杯涙を出る勢いを押さえ、元気を出してお客様たちに笑顔で接することにした。これからまだまだ旅が長いし、できればお客様たちにもっと子供たちの故郷を知ってもらいたい、旅を楽しんでもらいたいのだ。 1369303727-2677557876_n  

台北に戻った途中に出会った虹の橋。

 台北に戻り、私はベンさん一家を福華ホテルに連れて行った後、やっと九日間ぶりの家に帰れた。この8泊9日の旅の中に、ベンさん一家は家族中のコミュニケーションがすごく親しかったと感じていた。たとえ見た目では多少異なったところがあったとしても、ベンさん夫婦二人は子供3人にまるで自分が産んだ子のように接しているし、子供たちもその行動にたっぷりの愛情で応えていた。その上、子供が元家族と団欒した場面を見たら、私も台北にいる家族のことを一層会いたくなった。今回の仕事が終わって休暇している間、私は家族と共に母の日を送っていた。身の回り遊んでいる愛しい子供たちの姿を見てたら、感謝の気持ちも思わず湧いてきた。これからの毎日私はいつもの倍以上家族を大事にしたいと考えた。

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分かれる直前、ベンさん一家より頂いた土産である。

 

 数日後、ベンさん一家は間もなくオランダーに帰り、会社も私に空港までの送迎を担当させてくれた。8泊9日間の付き合いだけでもう十分仲良くなり、こんな素敵なお客様をサービス提供させてもらって大変嬉しかった!空港まで送る前に、ベンさん一家に台湾で作った美しい思い出を持って帰るように私は急いで過去数日撮っていた写真を仕上げた。なんとベンさんからもオランダーのコインとオランダー風味のクッキーを土産として用意してくれた。こんな素敵な土産を宝物として大事にし、ベンさん一家を末なく幸せに暮らせるよう心から祈っている。そして皆から大きなハッグをしてくれた後、私達はお互いさようならと別れの言葉を語っていた。最後見送りした時、またいつか台湾に遊びに来て、サービスを提供させてもらったらいいなと心からそう思った。

 

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ベンさん一家より頂いたメッセージカード。

 

 今回の経験を思い出してみると、こんなに親切なお客様を接することができて、そして何より彼ら人生の一大事を立ち会わせてくれて、まるで夢のように素晴らしくて一生忘れられないと思う。これを機に、私の障害者旅行サービスの経験値も一気に増えたし、英語勉強への情熱も再び燃え出しているので、本当に良かったと思う。こうやって振り向けることなくミッションをクリアできたのは、こんな良いチャンスをくれた会社と支えてくれた女房と家族のお陰であった。本当に感謝している!これから先にどんな障害者サービスの挑戦があっても震えることなく引き続き頑張っていきたいと思う。

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